事例
私は介護支援専門員として、認知症の本人を2年ほど支援しています。本人の認知症状が進み、親族が申立てを検討しています。親族から「本人情報シート」の作成を依頼されました。本人情報シートとは何ですか。また、どのようなことに注意して作成すればよいですか。
回答
「本人情報シート」とは、本人を支える福祉関係者が本人の日常生活・社会生活の状況に関する情報を記載して「診断書」を作成する医師に伝えるための書式として、平成31年4月に導入されました。医師の診断書作成のための補助資料のほか、審判の参考資料や後見人等選任後の支援にも活用されます。
「本人情報シート」の作成者は、ソーシャルワーカー(社会福祉士、精神保健福祉士等)として本人の福祉を担当している方(介護支援専門員、病院・施設の相談員、いきいき支援センターの職員等)です。介護職や本人、親族が作成することは想定されていません。
作成にあたって、本人の状況について改めて調査する必要はありません。作成者の主観や評価を加えず、客観的な事実をそのまま書きましょう。本人を支援している福祉関係者の情報も含めて書きましょう。
項目の中には、申立てをすることに関する本人の認識についての問いがあります。本人のための制度利用です。本人の意向を丁寧に確認した上で作成しましょう。
(参考)「本人情報シート作成の手引」(裁判所ウェブサイト)
https://www.courts.go.jp/vc-files/courts/2020/202012tebiki.pdf#page=27