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事例2 遺産相続において、相続人に認知症の人がいる場合、必ず後見人は必要?

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事例

父が亡くなりました。相続人は母(重度の認知症で施設入所中。判断能力なし)と私(長男。父母とは別世帯)の二人です。
父の遺産は、相談者の知る限りでは現金・預貯金が数千万円あります。

母の財産管理と施設の保証人は私が行っています。母に関して困り事(後見人を必要とする事)は、これまでありませんでした。

遺産を法定相続(1/2ずつ分けること)で異論はありません。

このまま後見人をつけずに遺産を半分ずつ受領して手続を終わらせてもいいですか。

回答

相続には「相続する・相続しない」の判断に至る以前に、「相続人の人数」「各相続人の意向」「遺言の有無、その内容」「財産の種類や価値の評価」「名義変更や申告・納税の必要性」「プラス・マイナスの財産がどれだけあるか」等、様々な検討すべき事柄があり、そのどれにも、本人の意思や判断、行為能力が必要と言えます。

本件のように、認知症の人が遺産相続に直面したら周囲が勝手に判断せず、まずは相続に詳しい弁護士等に相談しましょう。その結果、後見人が必要と判断された場合は成年後見人等をつけたうえで相続手続に臨みましょう。

注意点は、成年後見人をつけた場合、後見人を必要とした事象(本件では遺産相続)が解決した後も後見人を外すことができない点です。普段、後見人が必要でなくても、本人の能力が回復するか亡くなるまで後見人の仕事は続きます。

参照

Q6 誰が後見人になってくれるのか。(法定後見)

Q10 成年後見制度の利用に際しての注意点は?(法定後見)